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バーチャルオフィスは弁理士の申請先住所として使えるの?

特許や実用新案、商標といった知的財産のスペシャリストである、弁理士。 自宅を拠点として個人事務所を開業する際、あるいはオフィスレンタルをや めて自宅で事業を運営する場合などに、バーチャルオフィスを利用しての登 録申請を検討している方もいるのではないでしょうか。

バーチャルオフィスの住所は弁理士事務所の申請時に使用できるだけでなく、 自宅住所で申請するよりも安全に、そしてスムーズに手続きを進められます。 まずは弁理士事務所の申請時にどのような書類や手続きが必要なのかをしっ かりと把握し、ご自身にとって適した方法を選択することが大切です。

そこで、今回は「弁理士事務所の申請手続き」をテーマに、新規・移転それ ぞれにおいて必要な書類や提出方法、手数料、手続きの流れを詳しくまとめ ました。さらに自宅住所で申請した際のトラブル事例もご紹介しながら、リ スクを回避して安全に事業を開始したい方にぴったりな「バーチャルオフィ ス」の魅力について解説します。

弁理士事務所を【新規で申請】する場合の書類や申請方法

まずは、弁理士事務所を新規で申請する場合の提出書類や申請方法、手数料、 手続きの流れについて押さえておきましょう。

・提出書類・提出先・申請方法

弁理士事務所を新規で申請する場合の提出書類・提出先・申請方法は以下の通りです。

提出物 提出先 備考
弁理士登録申請書・届出書※ 〒100-0013
東京都千代田区霞が関3-2-6
東京倶楽部ビル14階
日本弁理士会 会員課宛
(書留または特定記録郵便で送付)
誓約書※
勤務証明書※ 事務所経営者は不要
履歴書※ 写真1枚(無帽、無背景、縦4.5㎝×横3.5㎝、6ヶ月以内に撮影したもの)
「登録後の会費納付方法について」の書類※
銀行振込等の写し(振込の場合のみ)※
登録免許税納付証明書※
住民票(居住地の市区町村で発行) マイナンバーの記載がないもの(記載がある場合は受付不可)
弁理士となる資格を証する書面 (1)弁理士法第7条第1号~第3号のいずれかに該当することを証する書面
(2)実務修習を修了したことを証する書面1通
※平成20年10月1日以降に弁理士法第7条第1号~第3号のいずれかに該当した方のみ必要
身分証明書 (本籍地の市区町村で発行)

申請の手引きや上記作成書類(※の書類)は、日本弁理士会の公式ホームペー ジ上でダウンロードできます。

また、もしも紙面でお求めの場合は郵送で取り寄せることも可能です。ご自身 の住所・氏名を記載した以下の返信用封筒を用意し、「弁理士登録申請書類送 付希望」と朱書きした封筒に入れて日本弁理士会の事務局会員課宛てに郵送し ます。

書類一式(上記※の書類)をお求めの場合:210円分の切手を貼付した定形外封筒(A4書類が入るサイズ)
登録免許税納付書類のみお求めの場合:84円分の切手を貼付した⾧形3号(⾧3)の定形封筒

手数料

弁理士事務所を新規で申請する場合にかかる手数料は、以下の2つです。

①登録免許税 60,000円
②登録料・会費 50,800円(登録料:35,800円/登録月の会費:15,000円)

①登録免許税

「登録免許税」の納付は、登録申請前に行います。まずは日本弁理士会の事務 局会員課にて納付書を入手し、必要事項を記入のうえで60,000円を麹町税務署 に納付します。

その後、領収日付印の押された領収証書(原本)を「登録申請書・届出書」に 貼付して完了です。

②登録料・会費

「登録料・会費」の50,800円も、登録申請前に指定の銀行口座へ納付すること が必要です。申請フォームを使用して振込手続きを行う場合は、申請書右上に 記載されている「申請番号」と「振込人名」を併記します。

※振込先口座
みずほ銀行 新橋支店 当座預金 10813
三井住友銀行 霞が関支店 当座預金 1015142
三菱UFJ銀行 虎ノ門中央支店 当座預金 180405

※ゆうちょ銀行の払込
00170-0-59868

手続きの流れ

弁理士事務所を新規で申請する場合は、以下の流れで手続きを進めます。

1.書類の準備

書類を準備し、必要事項の記入や捺印を行います。

2.手数料の支払い

「登録免許税」と「登録料・会費」を支払います。

3.書類の提出

すべての必要書類を日本弁理士会の事務局会員課宛てに提出します。

4.審査

審査結果を待ちます。(登録の可否決定まで約10日間)

5.手続き完了

弁理士事務所を【移転申請】する場合の書類や申請方法

次に、弁理士事務所を移転申請する場合の提出書類や申請方法、手数料、手続き の流れについてまとめました。

・提出書類・提出先・申請方法

弁理士事務所を移転申請する場合の提出書類・提出先・申請方法は以下の通り です。

提出物 提出先 申請方法
弁理士登録・届出事項変更届 千代田区霞が関3-2-6
東京倶楽部ビル14階
日本弁理士会 会員課
「日本弁理士会電子フォーラム」にて登録情報を変更し、変更届を出力→郵送または持参して提出
※郵送の場合は「書留」または「特定記録郵便」で送付
住所居所変更届 〒100-8915
東京都千代田区霞が関3丁目4番3号
特許庁審査業務部
出願課申請人等登録担当
郵送
※押印不要

「弁理士登録・届出事項変更届」と「住所居所変更届」はどちらも郵送での申 請が可能ですが、提出先が異なるため注意が必要です。

手数料

弁護士事務所を移転申請する際には、手数料は発生しません。

手続きの流れ

弁理士事務所を移転申請する場合は、以下の流れで手続きを進めます。

1.書類の準備

書類を準備し、必要事項の記入や捺印を行います。

2.書類の提出

書類を日本弁理士会と特許庁に提出します。

3.手続き完了

弁理士事務所の申請時におけるトラブル事例をチェック

弁理士事務所の新規・移転申請時には、上記でご紹介した内容に沿って手続き を行います。その際には各書類に「事務所の住所」を記載する必要があります が、自宅の住所を使用すると後にトラブルが発生するリスクがあるため注意が 必要です。

では実際にどのようなトラブルが想定されるのか、ここではカスタマープラス のバーチャルオフィスの利用者が実際に体験された「弁理士事務所の申請時に おけるトラブル事例」に注目してみましょう。

トラブル事例

1年前に、自宅住所(賃貸マンション)を弁理士事務所として開業した弁理士で す。玄関とポストに弁理士事務所名を併記して出していました。

ある日、マンションのオーナーから「契約書にも記載がある通り、このマン ションは用途を【住居専用】に限定しているため事務所としては利用できない。 契約違反になるため、事務所利用をやめてほしい」と言われました。きちんと 契約書を読んでいなかったため、「そんな規約があったとは…」と困惑しまし た。

何とか事務所として利用できないかとオーナーに相談しましたが、受け入れて もらえませんでした。そこで、弁理士の申請先住所として利用できるカスタ マープラスのバーチャルオフィスを利用することにしました。

自宅以外の申請先住所をお探しなら「バーチャルオフィス」がおすすめ

上記でご紹介した事例のように、賃貸物件やマンションなどの集合住宅の場合 はオーナーや管理組合の意向で「事務所利用はNG」としているケースが多くみ られます。そのため、ルールに違反して自宅住所を弁理士の申請先として利用 するとトラブルに発展する恐れがあり、場合によっては退去を求められること もあるため注意しましょう。

もしも「自宅以外の住所で安全に弁理士の事業を行いたい」とお考えなら、 バーチャルオフィスがおすすめです。バーチャルオフィスとは「仮想の事務 所」で、弁理士事業を行ううえで必要となる申請先住所を借りることができま す。

基本的には登録料や月額料のみで利用できるため、事務所用に賃貸物件をレン タルするよりも大幅に費用を抑えられる点が大きなメリットです。

まとめ

近年自宅で弁理士事業を行う方が増えてきていますが、自宅住所で申請すると さまざまなリスクが伴うため注意が必要です。自宅で事業を行わずに事務所用 の物件をレンタルするか、バーチャルオフィスを申請先住所として利用すると よいでしょう。

事前にリスクを回避しながら、安全に、そしてスムーズに弁理士事務所の運営 を進めていきましょう。

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