古物商許可を取得するための申請手続きは、基本的に以下のステップに沿って進めていきます。
- 申請要件の確認
- 個人・法人区分の決定
- 取り扱い品目の決定
- 警察署への事前相談
- 必要書類の準備
- 書類の提出
- 審査
- 許可証の交付
具体的な手順について、以下で詳しく見ていきましょう。
STEP 01申請要件の確認
古物商許可が必要な場合、まずは自分の状況が許可を得られるかどうかを確認することが大切です。具体的には、次のような欠格要件に該当していない
ことが求められます。
・破産者で復権を得ていない者
・禁錮以上の刑に処せられた者
・住居の定まらない者
・古物営業許可が取り消されてから5年が経過していない者
・暴力団員、元暴力団員、または暴力的不法行為をする恐れのある者
・公務員
・心身の故障により古物商の業務を適正に実施できない者
・18歳未満の未成年者
STEP 02個人・法人区分の決定
古物商許可を取得する際、個人名義で申請するか法人名義で申請するかを事前に決定する必要があります。
どちらの許可においても中古品の売買を行えるものの、名義の違いによって運営の仕方や手続きが大きく異なるためです。
個人名義で許可を取得する場合は申請時の書類が法人よりも少なく、比較的手軽に許可を取得できます。
ただし、個人で取得した許可を法人で使用することは法律上認められておらず、個人名義から法人名義への変更も不可となっているため、法人として古
物営業を行う場合は新たに法人名義で許可を取得しなければなりません。
もしビジネスとして⾧期的に古物販売を行いたい場合は、法人名義で許可を申請するとよいでしょう。
手続きは個人許可よりも複雑ですが、信用度が向上し、資金調達や取引の幅が広がるメリットがあります。
STEP 03取り扱い品目の決定
個人・法人区分が決定したら、自身のビジネスで取り扱いたい品目について検討します。古物営業法で分類されている品目は以下の13種類です。
・美術品類(絵画、彫刻、工芸品など)
・衣類(洋服、着物、布団など)
・時計・宝飾品類(時計、アクセサリー、眼鏡など)
・自動車(車両本体、タイヤ、カーナビなど)
・自動二輪車および原動機付自転車(バイク本体、部品など)
・自転車類(自転車本体、関連部品など)
・写真機類(カメラ、ビデオカメラ、双眼鏡など)
・事務機器類(パソコン、コピー機、レジスターなど)
・機械工具類(家電、工作機械、ゲーム機など)
・道具類(CD・DVD、家具、日用品など)
・皮革・ゴム製品(バッグ、靴、毛皮など)
・書籍(文庫本、雑誌、漫画など)
・金券類(商品券、切手、収入印紙など)
複数の品目を選択することも可能ですが、必要以上に多くの品目を申請すると審査が厳しくなる可能性があります。初回の許可申請時には、ひとまず1
品目のみ選択するとよいでしょう。
なお、取り扱い品目はのちに「変更届」で追加することも可能です。
STEP 04警察署への事前相談
続いて、古物商許可を申請する警察署への事前相談を行いましょう。その際は自身の居住地を管轄する警察署ではなく、古物商を扱う営業所の所在地を
管轄する警察署の「生活安全課防犯係」に連絡します。
あらかじめ必要書類や手続きについて確認しておくことで、書類の不備や手続きのミスを防いでスムーズに許可を得ることが可能です。
STEP 05必要書類の準備
警察署への事前相談で確認した内容をもとに、古物商許可申請に必要な書類を準備します。
個人名義と法人名義では必要書類が異なるため、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
|
個人名義で申請する場合 |
法人名義で申請する場合 |
許可申請書 |
必要
|
必要
|
略歴書 |
必要(申請者本人と営業所の管理者のもの)
|
必要(役員全員と営業所の管理者のもの)
|
本籍が記載された住民票の写し |
誓約書 |
身分証明書 |
URLの使用権限を証明する資料 |
必要
|
必要
|
登記事項証明書 |
不要
|
必要(履歴事項全部証明書)
|
定款の写し |
不要
|
必要
|
なお、許可申請書は管轄の警察署または各都道府県における公安委員会の公式サイト上で入手可能です。
また、いずれの書類も「申請日から3か月以内」に取得する必要がある点に注意しましょう。
STEP 06書類の提出
再度管轄の警察署へ出向いてすべての書類を提出し、19,000円の申請手数料を納付します。
支払い方法は管轄の警察署によって異なりますが、現金または県の証紙による支払いが一般的です。
STEP 07審査
申請が受理されると審査が開始され、通常約40日程度で結果が通知されます。
場合によっては、この期間中に警察官による営業所の立ち入り調査が実施されることもあります。
STEP 08許可証の交付
審査が無事に終了した旨の連絡を受けたら、申請者は管轄の警察署に身分証明書を持参して許可証を受け取ります。
なお、許可証交付後は営業所に許可証を掲示する義務があるほか、古物台帳を準備して適切に取引記録を管理する必要があります。
また、インターネット販売を行う場合は、許可証の番号をサイト上に表示しなければならないため、忘れずに行いましょう。